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熊本地震 安心サポートネットの文化を体現 吉村会員

熊本地震・避難所で大活躍

吉村静代会員安心サポートネットの文化を体現

熊本地震は4月14日益城町で震度7の前震が、同16日には熊本地方で同じく震度7の本震が観測され、益城町や南阿蘇村を中心に、壊滅的な打撃を与えた。その後も震度3以上の余震が続発し、熊本県と大分県にまたがる未曽有の大災害をもたらした。

 この激震報道にびっくり、安心サポート熊本に早速連絡を取って、会員の被害状況を把握し、取り敢えず、電話で被害見舞いを行った。益城町には2名の会員がいて、1名が自宅半壊で友人宅に避難、他の1名は、全壊で連絡が取れなかった。やがて、避難所で元気らしいとの現地報告が届けられた。この会員がこのブログの主人公吉村静代会員である。

 5月28日安心サポート熊本の通常総会に出席したが、懇親会席上では、熊本地震の話で持ちきりとなった。そこで、私たちの前に初めて姿を見せたのが吉村会員で、彼女から、直に震災後の活動を知らされた。その報告内容は、私達の勇気を鼓舞する,飛びっきり明るいもので、みんな彼女の活動に称賛の声を惜しまなかった。 熊本地震 安心サポートネットの文化を体現 吉村会員_c0166418_22061532.jpg

話の舞台は避難所である。彼女は自宅が全壊したため、夫とともに益城町の益城中央小体育館に避難した。この避難所では、約200名が我先にと場所を陣取り、勝手気儘に振る舞って、混乱していた。その様子を見た彼女は、直ちにリーダーシップを発揮して、まず、避難の皆さんに呼び掛け、避難所の区画割をして、床にビニールテープを張って、通路を設けた。次に、知らぬ者同志の共同生活には、コミュニケーションの場が必要だと、避難所の一角に、にわか作りの椅子を並べて、喫茶コーナーを設けた。また、おもちゃを集めて子供の遊び場を作ったりもした。更には、みんなが協力し合う雰囲気づくりが必要だと、率先して炊き出しを行ったり、掃除をしたりした結果、他の皆さんも、自然と協力し合うようになって、仮食堂まで出来上がった。

 これまで、震災の避難所生活から聞こえてくる声は、暗い話が多い。避難所の運営は、行政やボランティアに任せ切りで、ややもすれば、避難者は手持ち無沙汰になり、支援者の援助に頼りがちになるから、体調を崩したり、生活不活発病になったり、挙句の果てには、心配ばかりして、うつ病を発症する人も多いと聞く。

 ところが、各新聞社の報道によれば、この避難所は、明るい話で彩られている。ここでは、みんなのコミュニケーションが良くとれて、食事の炊き出しや清掃はもちろん、避難所内のもろもろの行事やお知らせの伝達等まで、みんなで話合い、自主的に役割を分担して処理されるから、運営担当の行政やボランティアは、早々に引き上げた。

そこで注目したいのは、避難の皆さんが、協力し合って、避難所の自主運営に成功すれば、避難所内は終始明るい空気に包まれ、活気に満ち溢れ、決して、生活不活発病やうつ病患者が続出するという暗いイメージにはならないことである。そればかりか、新しい絆が誕生し、助け合いの素地ができる。この避難所でも、仮設住宅への入居が進んでいるが、折角助け合いで結ばれた絆を大切にしようと、仮設住宅の入居も、同じ棟割に集団入居を希望したそうである。

彼女は、この避難所で「お母さん」と呼ばれている。それでも分かるとおり、彼女の見事なリーダーシップが、自主運営の活気ある避難所をつくり上げた。私は、彼女の活動の一部始終を知って、何という素晴らしさだろう!彼女の活動こそが安心サポートネットの文化を体現するものだとしみじみと感嘆した。熊本地震 安心サポートネットの文化を体現 吉村会員_c0166418_22002947.jpg


当法人には、現在、育んでいる文化として、「市民後見人としての自己研鑽と鍛錬」、「地域住民のニーズの把握とスピード感のある適切な対応」と並んで、「地域での助け合い活動の積極的な取組み」がある。

今後、わが国では、絆の希薄化による無縁社会が進展する。そうなると、ますます高齢化社会のひずみが深刻化し・自然災害のリスクが増大する。このような憂慮すべき事態を何とか避けたいが、最小限にくい止める手立ては、地域住民相互の助け合いの絆つくりだと思う。当法人としても、この度の彼女の活動を手本として地域の助け合い活動に積極的に取り組む人材が輩出することを切に望みたい。

以  上


by seinen-kouken | 2016-08-04 20:44


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