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成年後見制度低迷の原因・後見人選任のミスマッチ

ミスマッチのない選任システムを構築しよう!

1 利用低迷の原因
 我国の成年後見制度は、創設後18年を経過したにもかかわらず、その利用率は、現在おおよそ認知症高齢者約460万人、知的、精神障害者約340万人と推定される中で、29年末現在、制度の利用者数は約21万人、その利用率は2.6%程度で、極めて低迷していると言わざるを得ない。
 そこで、この利用促進を図るため、平成28年4月「成年後見制度利用促進法」が制定された。次いで、翌29年3月、促進法で明らかにされた利用促進の「基本理念」や「基本方針」に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、「基本計画」が策定されたことは、周知のとおりである。
 なぜ利用が低迷しているのか、この基本計画の冒頭に鋭い分析がある。簡潔に要約すると、「後見人に対する地域住民のニーズは、意思決定支援・身上保護重視の後見であるにもかかわらず、家庭裁判所では、財産管理重視の観点から第三者専門家を後見人に選任、ビジネスライクの後見を行ってきたため、利用者のニーズが充たされず、成年後見制度のメリットや素晴らしさが実感されていない。」と指摘し、その主要な原因が選任のミスマッチの積み重ねに求めている。

2 家庭裁判所における選任のやり方
 その一般的な具体例を示そう。ここに登場するA女は、子供に恵まれず、長年連れ添った夫にも先立たれて、たまたま近くに住む姪B子の手助けで、細々と生活する独居高齢者である。常々A女はB子に対し、「もし、私が認知になったら、必ずあなたが後見人になって面倒を見てね」と頼み、B子もこれを快諾していた。やがて、A女に認知症状が出て、判断能力の診断をしてもらった結果、「成年後見」相当と出た。そこで、B子は約束に従い、自らを後見人候補として後見開始の審判申立てを行った。
 ところで、家庭裁判所では、調査の冒頭、必ず次のような説明がある。「誰を後見人に選任するかは、裁判所の裁量に委ねられているから、後見人選任の審判がでれば、それに不満でも、即時抗告はできない。だからと言って、取下げを願い出ても、家裁の許可を得なければ、それもできない。」
 この説明で、大抵の申立人や候補者は、圧倒されて萎縮してしまう。説明の態度は柔和でも、内容は、まったく威圧的である。

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 それでも、B子は、A女の後見人就任は本人の意思で、A女とは強い信頼関係で結ばれ、生活支援のノウハウも熟知しているので、「適任者は、自分以外にいる筈はない。」と確信していた。しかし、実際に選任されたのは、見ず知らずの専門家?だった。B子は泣き寝入りするしかなかったが、A女も後見人?と信頼関係が築けず、不満だらけの多い生活を送ることになった。

 上記のような家裁の後見人選任の取扱いは、もちろん民法や家事事件手続法に法的根拠があるから、違法ではない。しかし、仮に家裁が本人の自己決定権を尊重し、本人の身上保護を重視する観点から後見人を選任していたら、おそらくB子が選任されていたと思われる。そうだとすれば、選任権の乱用の疑念は残る。
 仄聞するところ、このような家裁の選任のやり方は、全国津々浦々で行われているようである。ちなみに、制度創設当初の親族と第三者専門職おける後見人の選任比率は、前者が9割で、後者が1割にも満たなかったのに対し、29年には、親族が3割弱に減少、専門職が7割を超えるまでに急増した。この急増の原因が、このような一方的で、威圧的な選任のやり方にあるとしたら、誠に嘆かわしいと言わざるを得ない。と同時に、この選任のやり方が、おそらく家庭裁判所に対する不信感を増幅し、延いては成年後見制度の信用失墜の原因になっていると判断せざるを得ない。

3 ミスマッチの防止策  
 この度の利用促進法における後見の担い手は、地域連携ネットワークに支援された市民後見人である。そこで、基本計画では、市区町村等一定の地域ごとに、権利擁護の地域連携ネットワークを構築し、そのネットワークが家裁に対し的確な情報を提供して、適切な後見人が選任されるよう支援する仕組みを作る計画である。そのため、検討すべき施策として、?.地域連携ネットワークと家裁との連携の強化、?.市民後見人候補者名簿の整備、?.市民後見人の研修、育成、活用等様々な施策を提案しているが、しかし、この程度の施策では、これまでの柔軟さを欠く家裁の態度から推測して、満足できる成果は期待できないのではないかと危惧される。
 やはり、家裁の後見人選任のやり方が、「選任のミスマッチ」の元凶であることを十分認識してもらい、この点は踏み込んだ改善が必要だと思う。
 第1の改善点は、地域連携ネットワークやしかるべき団体が、本人との適応性を調査し、後見人候補を推薦したときは、家裁はその推薦を尊重して、被推薦者を後見人に選任する仕組みにすべきである。そうなれば、家裁の裁量の幅が狭まって、身上保護重視のニーズが強い高齢者・障害者に対して、身上保護に殆ど関心を持たない特定分野の専門家を威圧的に押し付けるようなミスマッチは、激減するだろう。
 第2の改善点は、現在における後見人選任のミスマッチの状況を見ると、後見人の選任基準を定めた民法843条4項の規定は、有って無きが如く、無視されている印象がある。しかし、このような規定がある以上、家裁が申立による後見人候補者と異なる後見人を選任したときは、そのような事案だけでも、選任基準の妥当性等について即時抗告ができるように改正すべきではないかと考える。
 このような改正で、選任における家裁の強引で一方的な裁量が抑制され、即時抗告した者にも、選任理由が明確になるので、そのメリットは大きいと思う。

4 おわりに
 成年後見制度利用促進法及びそれを受けた「基本計画」が策定され、33年度までの基本計画の工程表まで明らかにされたが、何と言っても、成年後見制度の運用主体は、家裁である。また、その手続を規律するのは、「家事事件手続法」である。したがって、プログラム法である利用促進法に盛られた基本理念や基本施策が、現実に具体化するかどうかは、制度の中枢に位置する家裁の取組み如何にかかっていることは、明白である。
 他方では、促進法に盛られた基本理念や基本施策が、国民の賛同と支持を得ていることも事実であるから、家裁は、成年後見制度が超高齢社会で果たす役割を十分に理解して、率先垂範してその実現に努めることは、家裁に対する国民の信頼性向上に大いに寄与することになると思う。この面での家庭裁判所の積極的なリーダーシップを心から期待したい。

参考 民法843条4項 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となるべき者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。


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by seinen-kouken | 2018-06-12 21:20 | NPO

もっと尊厳死の啓発と普及に力を入れよう!

1 H子の依頼
当法人が発足間もない頃、「もっと光を!」と刻まれた石碑のある養護老人ホームZ園を訪問した。依頼者は70歳を越す重度の視覚障害者のH子である。H子は、親類と絶縁状態で、他に頼れる身寄りもない。将来の不安を解消するため、任意後見移行型の契約を結びたいという。そして、まるで目で見たように、「ベッドに寝た切りで、患者が鼻や口から何本もの管を差し込まれて、植物同然で生かされている姿を、自分に重ね合わせると、ぞっとして、耐えられない。自然のまま眠るように死にたい。」と懇願した。
 このH子の絶ってない願いには、私も全く同感で、直ちに任意後見移行型の契約に尊厳死の規定を盛り込んだ。任意後見移行型の契約双方に、「H子の病気が不治の状況となり、最善の治療行為を施しても、死に至ることが確実であると判断されるときは、延命措置に過ぎない治療行為は一切施さず、人として尊厳を保ちつつ、死を迎えることができるよう、善処願いたい。」というH子の意思を医療ケアチームに伝達する規定である。この契約の定めだと、受任者や任意後見人が、この契約公正証書を医療ケアチームに直接提示する責務を負うから、尊厳死を実現するには、最も確実な方法である。

2 死の有り方の決定
 これまで任意後見の相談の際、私は、必ず尊厳死を選択するかどうか尋ねてきた。聞かれた相談者の全員が、目を輝かせながら、きっぱりと、「尊厳死」と答える。この人達は、人生の生き方、死の有り方について自己決定ができているから、終末期医療における延命治療は、とんでもない話となる。
 ところが逆に、老人の会等でこれと全く同じ質問をしてみると、答えが曖昧な場合が多い。後期高齢者になっても、自分の死の有り方を決定している人が少ないのに驚くことがしばしばである。そこで、尊厳死や延命治療とは何か?の説明をすると、やっと、尊厳死の意味を理解して、「尊厳死に賛成、植物人間は嫌だ」という返事になる。こんな状況では、尊厳死の事前表明を望むのは無理で、療養型病院や介護施設であんなに多くの寝たきり老人がいる事実に納得がいく。

3  終末期医療のガイドライン
ところで、尊厳死か又は延命治療か?国の終末期医療についての方針はどうか?厚生労働省が公表した「終末期医療の決定プロセスにおけるガイドライン」(平成19年5月)では、次の3つの原則を明らかにしている。
 原則1は、インフォームドコンセントに基づき、本人の意思が確認できる場合は、本人の意思決定を基本とし、原則2として、本人の意思が明確でない場合で、家族から患者の意思を推定できるときは、家族の推定意思を尊重することとし、原則3では、その推定意思が不明な場合は、「患者にとって最善の治療方針をとることを基本とする。」とされている。
 したがって、原則1では、尊厳死の意思を表明した者しか尊厳死の恩恵は受けられない。原則2では、家族に「長く生きて!」という願望があるのは当然として、本人の生存から各種のメリット(例えば、本人の年金の受領等)を受けている家族もいるから、延命治療を希望することが多いと指摘されている。また、原則3では、「最善の治療方針とは、できるだけ長く患者の生命を維持すること。」と考えている医師が多いから、これらの医師は、抵抗なく延命治療を実施することになる。

4 延命治療の見直しと尊厳死の普及
その結果、有識者が指摘するように、「外国では、終末期の延命治療は殆ど行われていないのに、日本では延命治療が平然と行われる。日本の常識は、世界の非常識」。自己決定権の尊重の理念に添うよう、次の施策を講じて、是非とも是正することが必要である。
 第1は、医療・ケアチームに対して尊厳死に関する意思表明を確実に伝達されるよう行うことである。確実な方式としては、例えば、?. 意思表明を公正証書で公証しておく。?.リビング・ウィル(日本尊厳死協会)を作成しておく。?.エンディングノートその他の意思表示書を作成する。そして、肝要なことは、この意思表明と伝達が社会全般に常識として受け入れられ、習慣化することである。
 第2は,医療とはできるだけ長く生命を維持することではなく、「本人の人生を有意義にし、尊厳ある死で終わらせることにある!」という意識改革が重要である。この観点から医療の根本を見直すことも必要である。
 当法人は発足以来、任意後見移行型に尊厳死条項を盛り込むことにより尊厳死の増加に努力してきた。この方式には、本人の尊厳死の意思表明が、公証されるばかりか、その意思が後見人等の職務として医療ケアチームに確実に伝達されるという利点がある。したがって、当法人としては、尊厳死条項を盛り込んだ任意後見移行型の啓発と普及にしっかりと取り組んで、尊厳死の一般化、社会の習慣化に努めていければ、と考えている。          


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by seinen-kouken | 2018-04-17 19:42 | NPO

任意後見移行型の利用促進について

任意後見移行型の利用促進について
1 29年度の重点目標
 本年度の13回通常総会は、多数のご来賓のご出席と、第4回生の数多くの初参加のもと、盛大に開催され、数多くの重要案件が審議され、満場一致で可決されましたが、その中で特筆すべきことは、本年度の事業推進に当たっての重点目標を下記の通り可決・決定したことでした。
第1 任意後見移行型を基軸とした受任体制の整備・拡大
第2 人材の育成
第3 地域後見 各地域における拠点つくり
 これらの重点目標は、一見これまでの当法人の路線の延長線上にあって、唯単に、焦点が絞られただけのように感じられますが、決してそうではありません。当法人にとっては、大変画期的なことです。
 その理由は、次のとおりです。すなわち、「安心の広場」25号の巻頭言でも述べたとおり、「当法人は、27年度から法定後見から任意後見へと受任体制の基軸を移転する。」という方針の大転換を行いました。それ以降、c0166418_14464170.jpg
「任意後見研究会」を中心に、検討を重ね、
①.判断能力を補充する任意後見とその前段階の身体能力の  減退を支援する後見型委任とは、まったく同じ型で、同じ価値だと評価して、両者の関係を見直すこと。
②.「任意後見移行型」(以下、「移行型」という。」全体の仕組みについて、財産管理から身上監護重視の後見へと刷新すること
③.適切な職務遂行の担保となる両者の指導監督システムを充実・強化すること。
 以上の基本に即して、移行型の新しい職務のあり方を研究開発した結果、万全とは言えないまでも、地域住民のニーズに応える「新任意後見移行型」を誕生させるという目的は、ほぼ、達成できたのではないかと自負しています。
 このような自負心が背景にあって、初めて「移行型を基軸とした受任体制の整備・拡大」という課題が、当法人の第一の重点目標として取り上げられ、檜舞台に躍り出たわけです。
2 職務限定論の偏見に風穴
 しかし、この目標の推進結果は、明らかに、「移行型の契約締結やその受任活動は、市民後見人の職務外である。」とする市民後見人の職務限定論と激突します。
 この限定論は、法律の専門家や学者の一部が主張するもので、そんな偏見に惑わされることなく、正々堂々と市民後見人が「移行型を適正・円滑に処理して、地域住民の厚い信頼を得ることができれば、これこそ、限定論の岩盤的偏見に風穴を開けて、成年後見制度に対する多様で柔軟なニーズに応えることが可能となります。また、何よりも、市民後見人について高い評価が得られる要因になると思います。
3 地域における拠点つくり
 「全国どこでも、いつでも、簡単に成年後見制度を利用して、安心した生活を送ることのできる社会をつくろう!」という地域後見の理念からは、「移行型」も、全国各地で簡単に利用できることが必要で、そのためには、「移行型」に関する啓発、相談、契約締結支援等の事務処理を行う場所としての拠点つくりが必要です。
 それと並行して、研修の実施や技能の実習等に基づき、「移行型」の支援を担う人材の育成が必要です。それに、「移行型」は自己決定権の尊重の理念に基づく制度ですから、契約の締結や職務遂行には、委任者本人の意思・意向がきちんと把握され、その意思決定を支援することが重要ですが、それには高度のノウハウが要請され、その取得には現場での実践の積み重ねが不可欠です。その実践の場としては、拠点つくりが大変役立つと思います。この趣旨も含めて、29年度の重点施策として「地域における拠点つくり」が登場したわけです
 この拠点つくりの課題は、プロジェクト方式で行う方針で、現在、筑紫野市、宗像市ではその作業を終え、糸島市ではその作業を実施中。他の地域においても、例えば、福岡市の西区・早良区、更には東区、大野城市・春日市、ないしは久留米市等においてその兆しや芽生え(例えば、同地域に住所を有する会員の合意等)があれば、積極的にその拠点つくりを支援したいと考えています。
4 新任意後見移行型の登場と利用促進
 今後の我国において自己決定権の理念に基づく任意後見の活性化は、何よりも大切なことです。しかし、任意後見には、使いにくさや煩わしさ等の欠陥があり、その是正には、法律の改正や運用上の欠陥を改善することが必要です。しかし、その改善は、そう簡単に実現の見込みはありません。
 そうすると、現行法下での運用を前提とする限り、その活性化には、現在当法人がシステム化に取り組んでいる、新しい「任意後見移行型」によって行うのが最善の方策だということです。したがって、この最善の方策をできるだけ早期に実践の場に登場させ、その利用促進が図られるよう、役員・会員の皆様が一体となって、惜しみないご尽力を期待したいと思います。    以 上

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by seinen-kouken | 2017-07-31 14:38 | NPO

安心サポートネット 福岡・熊本 親睦会(後半)

 先日行われた親睦会の様子です。


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by seinen-kouken | 2013-01-07 02:16 | NPO

安心サポートネット 福岡・熊本 親睦会


http://youtu.be/VfL0RCm6zKI
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by seinen-kouken | 2012-11-28 19:46 | NPO

筑紫野市民の期待と夢を乗せて!国の市民後見推進事業

筑紫野市民の期待と夢を乗せて!
国の市民後見推進事業
「市民後見人養成研修」順調にスタート

1 去る11月12日、筑紫野市主催「市民後見人養成研修」の開講式が、同市の生涯学習センターにおいて、選抜による53名の受講者及び藤田筑紫野市長以下の主催者側関係者並びに同研修の実施を受託した当法人側関係者多数のご出席のもとに、盛会裡に開催されたことを心から祝福するとともに、市民後見人の本格的普及の幕開けとして、心から歓迎したい。

2 さて、当法人は、平成16年5月設立以来、この優れた成年後見制度の利用度が依然として低調であることを憂慮し、その活性化策として「地域後見」即ち、「判断能力の不十分な高齢者や障害者の皆さんが、いつでも、どこでも、簡単に成年後見制度を利用して、安心・安全な生活が送れる社会を作ろう!」という基本理念を高らかに提唱して、その実現に向けて努力してきた。

3 この「地域後見」は、どの地域でも、親しみ易い後見人が沢山いて、簡易に頼めることが絶対的な条件である。この観点から、当法人は平成18年を第1回として福岡市と熊本市で計4回、レベルの高い「市民後見人育成研修」を実施。この研修で誕生した市民後見人の指導とその活動を支援してきた。

4 ところで、国は本年度から認知症等高齢者の福祉増進を図る観点から「市民後見推進事業」を創設した。この事業は、市町村自らが市民後見人を養成し、その活動を推進することを主眼としたもので、市民後見人を主役として成年後見制度の活性化を図ろうとする点で、「地域後見」の理念と全く同一である。従って、地域後見を標榜する当法人は、この市民後見推進事業が成功するかどうかについて、自分のことの如く深い関心がある。

5 厚労省は、市民後見推進事業を打ち出したものの、同省が同事業について予め問題点を十分検討し、検証と試行を積み上げたうえで、自信を持ってスタートさせる事業とは言い難い。とにかく、準備不十分だが、スタートだけはさせて、この分野で先行する自治体や在野のNPOの力を借りて、何とか成功を収めたい、という荒っぽさが目立つ事業である。

6 この市民後見推進事業に福岡県下では唯一、筑紫野市のみが積極果敢に挑戦して、「市民後見人養成研修」の主催庁となり、本研修の実施は当法人が受託した。そこで、当法人としては、主催庁と一致協力して、本研修の問題点を十分分析し、改善策を講じながら、是非とも、本研修を成功させたいと考えている。
7 本研修が成功すれば、現在不安な目で本研修の成行きを注目している福岡県や九州各県の市町村も、安心して市民後見人の養成とその活動支援に乗り出すことが予測される。そうなれば、「地域後見」の実現も現実性を帯び、遠い夢物語ではなくなるだろう。
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by seinen-kouken | 2012-01-15 17:40 | NPO

わが筑紫出張所の風景 安心サポートネットの誕生地

1 筑紫画廊
 福岡法務局筑紫支局の真向かいに、3階建ての俗称「ホームセンタービル」があり、その建物には、司法書士、土地家屋調査士を中心に多数の士業の事務所がある。その1階の中央106号室がわが安心サポートネットの筑紫出張所である。面積は40平方メートル、そこに所狭しと、机、椅子、書棚、機器類が置いてある。

c0166418_21211156.jpg 内壁には、宣伝用の新聞記事のコピーやビラも貼ってあるが、圧巻は三宅会員から提供された水彩画の4作品である。いずれも静かな自然のたたずまいを自然そのままに描いた風景画で、みな見事な出来栄えである。見ていると、吸い込まれるように、心身の疲れが癒される。だから、この出張所は「筑紫画廊」でもある。

2 多忙な出張所
 私は、週のうち2日火曜日と金曜日に本出張所に出勤する。この出勤日には本出張所の事務を処理するため、私のほか3名の会員も出勤する。だから、お客さんや会員の出入りも多く、事件処理や打ち合わせに多忙を極め、室内が大混雑するときが多い。

3 当法人の前身・「権利支援システム研究会」
 当法人の前身は、「権利支援システム研究会」である。同研究会は筑紫野市の二日市のコミュニティーセンター内に置かれ、その場所は、本出張所のすぐ近くにある。同研究会の活動を当法人が実質引き継ぐまでは、同所を根拠地とし同研究会が活発に活動していた。
 この研究会は、12年に創設された成年後見制度の利用が沈滞している状況を深く憂慮し、次のとおり高らかに宣言して13年8月に創設された。
「高齢者社会の病理現象を注視するとき、地域住民の1人1人が速やかにこの魅力に満ちた権利支援システム(成年後見制度を指す)を十分理解し、自己の幸せのために主体的、積極的に活用することが要請される。そこで、本研究会はこの見地からこのシステムについて様々な研究を行い、この分野で有用な人材を育成し、もって、この要請に応えることを目的とする。」
 この研究会には、各方面の錚々たるメンバーが参加した。また地元からも、筑紫野市や同社協の職員や各方面の福祉やボランティア団体からも参加があった。伊藤九大名誉教授や迫田弁護士も、その研究会のメンバーである。そして、この研究会の活動結果、安心サポートネットの創立の必要性が痛感され、当法人の誕生につながった。だから、本出張所は当法人の誕生地である。

4 ネットワークの継承 
 そのため、この権利支援システム研究会の活動のネットワークが、そのまま現在の本出張所を支えている人脈に繋がっている。だから、本出張所は、受託事件も多く、当法人全体の事業収入の約3分の2を占めるばかりか、当出張所が受託し、指導監督している後見人等数は、当法人の総後見人受託数77名中50人に及んでいる。従って、事業中心に見ると、同法人を支える中心的役割は本出張所が担っている。今後とも、本出張所では、同システム研究会時代から積み上げてきたネットワークを大切にし、地域後見の実現に向けて、一歩一歩前進したいものである。
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by seinen-kouken | 2011-04-10 21:13 | NPO

地域後見の主役 市民後見人を普及させよう!

「地域後見」の主役は、どんな後見人か

1 NPO法人安心サポートネットの平成22年度の重点目標の1つが、長期的視野に立って設定した「地域後見の推進」です。今夏の8月7日福岡市の天神ビルで、当法人は「地域後見」を主題にしたシンポジュウムを主催しました。基調講演は当法人理事長、パネリストは7名、参加した聴衆は、約200人、大変な盛況でした。

この「地域後見」とはどんなものか?一口で言えば、『判断能力の不十分な高齢者や障害者の皆さんが、いつでも、どこでも、容易に成年後見制度を利用して、安心した生活を送れる・・・そういう地域社会を作ろう!」ということです。

2 それでは、この「地域後見」の主役は、どんな後見人でしょうか?
この後見人は、現在の地域住民のニーズに最もよく応えることのできる後見人、すなわち、ボランティアやNPO等、人を支え、人に役に立つことに喜びや生き甲斐を感じる、「新しい公共」の人達を対象に育成された市民後見人です。

この市民後見人は、➀ いつでも、どこでも、容易に育成でき、また、活躍できること。② ボランティアを視野に入れた活動のため、親しみ易く、利用し易いこと、③ フットワークがよく、面倒見が良いこと、等の特徴があり、現在家庭裁判所が後見人の選任対象としている『親族』や第三者「専門家」とは、全く違った新しいタイプで、この後見人こそが、地域後見を担うにふさわしい主役だと確信しています。

普及・拡大が進まない理由・「後見支援組織の未整備」

1 現在、市民後見人が活躍している地域は、全国的にも、ごく僅か。当法人が活躍している福岡・熊本地域や社会福祉協議会が市民後見人を育成している東京都各区や大阪市等、大都市圏の一部の地域に限定され、それ以外の地域に急速に広がる兆しは見えません。
 どうして、市民後見人の普及・拡大が、遅々として進まないのか?答えは、その啓発宣伝が進んでいないことのほか、次の2つの理由に絞られます。

2 その1は、市民後見人の存立と活躍は、その育成と指導監督を担う「後見支援組織」の存在がなければ、有り得ない! この意味で、全国各地に「後見支援組織」が育っていないということです。従って、市民後見人を広げるためには、先ず、全国各地に、「後見支援組織」を整備することが不可欠です。
 しかし、この「後見支援組織」育成の障害は、安定した財政基盤の確立です。当法人も、設立以来この課題実現のため、大変な努力を積み重ねてきました。市民後見の崇高な志があっても、この財源確保に目途が立たなくて、挫折した例はよく耳にします。

3 現存する後見支援組織を財源確保の形で区分しますと、その1は、自治体の支援を受けて、市民後見人を育成している「社協」や「成年後見センター」のような依存型。その2は、当法人のように、どこからも財政支援を受けず、自ら成年後見の関連事業を実施することによって財源を得ている独立型の2種類です。

4 その中で、依存型で育成される市民後見人は、簡単な事案しか担当させられない等いろいろの制約があって、萎縮した従属タイプなのに対し、独立型だと、依存型のような制約がなく、力量に応じて活躍できるのが魅力です。従って、市民後見の真の発展のためには、独立型NPOが各地に誕生し、横のネットワークを形成して、相互に発展することが理想です。しかし、次善の策として、自治体等の財政支援を受ける依存型でも、市民後見人の増加を図ることは立派な選択肢だと思います。

普及・拡大の障害・「地域住民の目線に冷淡な家庭裁判所」

1 第2の理由は、家庭裁判所による後見人選任が、従来から一貫して、その供給源を「親族」と「特定分野の専門家」に限定し、地域住民のニーズに適合した新しいタイプの後見人への取組みがなおざりで、熱意が感じられないことです。

 家裁が現在の頑迷な選任方法を続けていけば、後見制度の利用が低迷し、やがて破綻に追い込まれるのは明白です。従って、この憂慮すべき事態を改善するには、家裁自身が「成年後見制度を単に財産管理だけの問題とせず、判断能力の不十分な人達の安心した生活を保証する「幸せ」や「福祉」の問題として捉える。」という地域住民の目線に立って、従前の後見人選任の枠組みを見直すことが必要です。 

3 その見直しの結果、家裁が「新しい公共の見地から積極的に市民後見人の育成に努め、その活用を図る方針を採用することになれば、現在の低迷の突破口となり、成年後見制度が真に地域住民のための制度として活性化することは確実だと思います。1日も早く、家裁がその方向に舵取りをすることを強く望む次第です。

 以 上
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by seinen-kouken | 2010-12-07 20:37 | NPO

祝辞 新しい門出のNPO法人熊本を激励する!

 
1 NPO法人成年後見安心サポートネット熊本が、九州のど真ん中に位置する熊本市において去る3月23日設立の登記を完了し、本日ここに 目出度く創立総会を迎えられたことを心から祝福したい。
 翻ってみると、昨年6月から9月にかけて当法人安心サポートネットが主催した熊本版成年後見 人等育成研修の修了者が相語らい、熊本の地に「高齢者・障害者の人権を守り、その生活を支える NPO法人熊本を創ろうではないか」と発起一番、設立を決断して、精力的に諸準備を進めてきた 皆さんの崇高な使命感と情熱に対し、強い感銘を受けるとともに、設立に向けた並々ならぬご尽力 に対して深甚なる敬意と謝意を表したい。

2 本日の創立総会は、重要案件が目白押しで、いずれの議題も、NPO法人熊本を運営するための組織や重点施策又は基本的処理システムを決定するために不可欠なものばかりである。NPO熊本が、その事業をどのように展開すれば、成年後見制度の活性化につながり、どのように活動すれば、地域の皆さんの信頼を得ることができるか、是非、この観点から十分な審議を尽し、有意義な 結論を得ていただきたい。 

3 ところで、この総会が終了すれば、このNPO熊本の全体像と進むべき方向がはっきりと見えてくる。おそらく、皆さんの審議を経て誕生するNPO熊本は、すべてが幼稚で、よちよち歩きの頼 りないNPOだと思う。しかし、このNPO熊本は、他の法人に見られない優れた資質や武器をもって誕生してきたことも事実である。

4 第1に、すべての法人は、財政基盤の確立なくして存立できないが、このNPO熊本は縦の組織 は弱体でも、事件受託拡大チームという安定した財政基盤造りに貢献できる、素晴らしい横の組織を持っていること。
 第2に、すべての法人が円滑に事業展開を行なうには、その展開に必要な貴重な処理システムやノウハウを取得することが必要であるが、このNPO熊本は、兄貴分に当る当法人から創意工夫をして創り上げた処理システムやノウハウの供与が約束されていること。
 第3に、何にも増して、このNPO熊本は、旺盛なボランティア精神と社会奉仕に対する情熱を もった優れた人材の集合体であること。

5 ところで、このように優れた資質や武器をもったNPO熊本でも、ただ漫然と活動するだけでは成功することはあり得ない。これからは、氷の上に座るような厳しい環境に置かれると思う。
 成功するための条件としては、まず第1に、氷の上にも3年、どんなに苦しい時でも、忍耐強く我慢して、会員の皆さんが一致結束して、直面する困難を克服すること。 第2に、会員全員が明る く刻苦勉励して、処理能力の向上と強靭な使命感の涵養に努力し、地域の皆さんの信頼を勝ち取ること。

6 会員の皆さんは、是非とも、これらの条件を見事にクリアして、NPO熊本を素晴らしい法人に大きく育て上げていただきたい。
 なお、当法人も、引き続き専門家の派遣による業務処理の支援や専門的知識やノウハウの供与等 あらゆる方策を講じて、一日も早くNPO熊本が自立するよう手助けしたいと考えている。

7 更に、NPO熊本の注目点を付言すれば、市民後見人の育成は、緊急の全国的課題であり、全国 的に見ると、現在、東京都の区や大阪府等の社会福祉協議会でも、市民後見人を育成中である。従 って、このように、「社協等育成型の市民後見人」と、市民がNPOを立ち上げて、NPO自身が 市民後見人を育成する「独立型の市民後見人」と2つのタイプがある。NPO熊本が市民後見人の 育成に成功すれば、全国では当法人に次いで、2番目のNPOによる「独立型の市民後見人」が誕 生する。そして、この方式で、多数の市民後見人を育成できることが証明されれば、新しい事業モ デルになる。この点からも、是非成功して欲しいと思う。
 
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by seinen-kouken | 2010-05-23 12:19 | NPO

魅力溢れる市民後見人に挑戦してみませんか!

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 NPO法人高齢者・障害者安心サポートネットは、「第3回市民後見人育成研修」を実施することで、現在受講生を募集中です。
 この育成研修は、ボランティア活動に情熱があり、市民後見人としての活躍を希望する受講生を対象として、後見人の職務遂行に必要な法律実務から福祉・介護に至るまで、広範で、質の高いカリキュラムにより実施されます。研修期日は、本年6月から9月まで、毎月第2と第4土曜日の2回開催。時間は10時~から17時まで1日6時間、研修場所は福岡市アイアイセンター等を予定しています。

 「第3回~ 」と銘打っているように、当法人は、この育成研修を福岡市で、過去平成18年と19年に2回開催した実績があります。この研修の目的は、高齢者や障害者が判断能力を失ったときに、それらの人達が「普通の人」と同じ生活ができるよう、面倒をみる後見人を育成することにあります。この目的から言えば、本来なら、自治体等の公的機関が行なってしかるべきですが、これを一民間のNPO法人が実施したわけですから、わが国では過去に例がなく、まさに【先駆的】で、かつ、【画期的】な研修と評価され、研修生にも大変な好評を博しました。

 現在、市民後見人育成研修の修了者は、市役所等の自治体、社会福祉協議会、地域包括センター、介護施設等で成年後見関係の仕事に従事して、存分に能力を発揮しているほか、市民後見人として活躍中の者が30名余に達しています。
 特に、市民後見人は、ボランティアを視野に入れて活動しますので、高齢者や障害者に親しみ易く、利用し易いという長所があります。その上、フットワークが良く、地域社会の隅から隅まで活躍して、常に安らぎのある良質のサービスを提供できますので、安心・安全な地域社会の形成と成年後見制度の活性化に大きな貢献をしていると思います。

 また、超高齢化社会の進展に伴い、独居老人、夫婦だけの老人世帯の増加が顕著ですが、その人達を身近で見守り、安心した生活を送ってもらうには、ボランティア活動に情熱のある市民後見人の活躍が不可欠です。したがって、市民後見人に対する国民のニーズは、今後益々強まるばかりです。
 
 人生80年、第1の人生を企業活動や行政で活躍されてこられた皆さん!
 第2の人生は、市民後見人として活躍することにより、高齢者・障害者の人権を守り、その生活を支えて、自立と共生を基本とする地域社会づくりに貢献してみませんか。
 是非とも、この魅力に溢れた市民後見人に挑戦して欲しいものです。

注 研修受講者募集の詳細は、当法人のホームページを参照願います。
 
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by seinen-kouken | 2010-03-28 16:20 | NPO