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身上監護の重要性と市民後見人の育成

1 市民後見人養成研修  
  我が法人、安心サポートネットを取り巻く諸状勢の中で、大きな動きを見せているのは、創設2年目を迎える厚労省の「市民後見養成事業」である。初年度の23年度には、福岡県では、トップを切って、筑紫野市だけがこの「市民後見育成事業」に名乗りを上げ、「ボランティア活動に意欲のある受講者」50名を公募し、「市民後見人養成研修」を主催した。当法人がこれを受託して、レベルの高いカリキュラムを組んで実施し、いくつかの自治体の見学もあって、好評裡に終了した。

2 フォローアップ研修と後見支援センター
今年度の課題は、この養成研修の終了者に活躍の場を与える組織づくりとそれができ上がるまでの終了者に対するフォローアップ研修の実施である。
フォローアップ研修の方は、本年10月から来年3月まで毎月1回1日3時間の日程で実施中である。カリキュラムは、前回の養成研修より更に一層実務的で、高水準となっている。これと並行して実現すべき課題は、市民後見人の活動の拠点となる「後見支援センター」(仮称)の設置である。後見支援センターができ上がると、このセンターが、引続き市民後見人候補の研修と実務訓練を実施し、後見人に就任すれば、後見活動を支援し、また、その指導監督の役割を果すことになる。
  
3 後見人の理想像
ここで、最も重要なことは、このセンターが「どのような後見人を理想像として市民後見人を育成するのか?」、言い換えれば、「目標とする市民後見人の理想像はなにか?」である。

4 身上監護の重要性
 皆様もご承知のとおり、後見人の仕事は、第1に、本人(被後見人)の財産を管理すること、第2に、本人の生活や心身(身体)の療養看護のお世話をすることである。このことを法律用語では、「身上監護」という。この身上監護の仕事は、本人について「健全な身体を保ち、安心した生活を保持する」ために行う仕事だから、老化や傷病が原因で判断能力が衰えた者にとって、どんな仕事と比較しても、この仕事ほど重要で、大切なものはない。
この身上監護を必要とする人達は、核家族化、少子・超高齢社会の進展に伴い、身寄りない単身又は高齢者のみの世帯を中心に、その人数が大量かつ急激に増加中である。従って、この身上監護の充実・強化こそが高齢社会が当面する最大のニーズであり、その重要性は、今後益々高まるだろう。

5 身上監護の仕事 市民後見人に最適
ところで、この身上監護の仕事は、老化や傷病による能力減退者について、例えば、食事や家事等日常生活を支援するとか、介護や福祉サービスが利用できるよう面倒をみるとか、病気の治療や入院のお世話をするとかの仕事が中心であるから、その仕事の特徴は、常に本人に接し、本人の心身の状態や生活の状況を把握して、適宜、適切に必要な措置を講じることである。従って、その適任者は、一概に言えないが、本人に寄り添いながら、きめ細かく本人の面倒が見られて、親しみと安心感を与えられる人物だと言えそうである。そうだとすると、市民後見人には、ボランティア精神が旺盛で、親しみ易く、フットワークがよいという特長がある。この意味で、身上監護の仕事は、まさに市民後見人に打って付けの最適の仕事である。

6 身上監護と地域後見
当法人が、過去4回にわたり市民後見人育成研修を実施し、市民後見人の育成に熱心に取り組んだのも、厚労省が「市民後見養成事業」に乗り出したのも、身上監護の重要性に鑑み、そのニーズに応えるためである。
後見支援センターにおいても、身上監護が得意で、地域住民に信頼される市民後見人を理想像として、その育成に尽力すべきである。このような市民後見人が多数養成されることによって、当法人が提唱する「地域後見」の実現、即ち、判断能力の不十分な高齢者や障害者が、いつでも、どこでも、容易に成年後見制度を利用して、安心した生活が送れる社会の実現が、更に一歩近づくことになると思う。また、そうなることを切に祈りたい。
以 上
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by seinen-kouken | 2012-12-29 14:10